講道館

 特集1 もっと知りたい文京区②

 

柔道界のお父さん「嘉納治五郎先生」

~はじめに~
「大河ドラマ いだてん」(NHK2019年放送)を見ていた人にはおなじみ、柔道を広めた「嘉納治五郎先生」。先生の教えを少しのぞいてみよう。

 

 

 

柔道と嘉納治五郎

嘉納治五郎は少年時代体が弱く、強くなりたいと思い、昔からある柔術を修行しました。
嘉納治五郎が学んだ天神真楊流柔術と起倒流柔術の2つを元にして、さらに工夫をこらして作られたのが講道館柔道です。
嘉納治五郎の子どものころの性格は短気で、武道を始めて優しい性格になったそうです。
次に柔術と柔道のちがいです。柔術は、技がたくさんあるけど危険な技もあります。
柔道は始めから技が決まっていて安全な技を中心に100種類の技がある競技です。
嘉納治五郎は、柔術から原理と目的を決め自己完成を目指す「道」として柔道にしました。

 

 

嘉納治五郎の教え

講道館のロゴマークは、大きく赤い丸とその周りの白い部分に分かれています。
赤い部分には火のように熱く、鉄のように固い心を持つという意味があり、白い部分には周りの人には真綿みたいにやわらかく優しくするという意味があります。
ロゴの形には神社の鏡の形と一緒で、その鏡はその人の本心をうつすそうです。

<講道館のロゴマーク(スケッチ) >

 

 

熱い心と優しい心

嘉納治五郎が残した「自他共栄」と「精力善用」という2つの言葉があります。
自他共栄は、「自」が自分、「他」が他人、「共」が共に協力、「栄」が栄える、をつなげた意味です。
精力善用は、心身の力を最も有効に使用しその力を自分だけでなく他人のためにも使うという意味です。
この2つの言葉の共通点は、1人ではできることは少ないから他人との関係を大切にするということです。
嘉納治五郎は、他人との関係を大切にするという思いを持ち、講道館を建てました。
その講道館は138年の年月を経て、今も思いが受けつがれています。

 

<お話しを聞いた柔道資料館の村田さんも、講道館八段を持つ柔道家!>

 

<2階の柔道資料館や、もちろん練習も見学できます。>

 

 

 

 

 

取材・文/甲志朗・弘・理智
イラスト/甲志朗・弘  題字/甲志郎

 

 

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