カメラマン 八幡さんのコラム

みんなにとって写真ってなんだろう。

誕生日のお祝いに家族で行ったレストランの名前を記念だから覚えておこう!と写真に撮ったりするかな。

「去年のあのレストラン、どこだっけ?」って思ったら、その写真を見ればいい。「あぁ、そうそう〇〇レストランだったね!」って思い出す。

でもね、その写真を見た時にちょっと他のことも気にならないかな?

「この時、お母さんは髪伸ばしていたんだね~」とか「お父さん、今よりもお腹出ている~」とかさ。

もしかしたら、その写真には写っていなかった弟や妹が、今隣にいるかもしれない。撮った時には意識しなかったことが、その中にはいっぱい写っているんだよね。

写真は見るタイミングで「見え方が変わる」んだよ。

だから今すぐに意味を求めないで大丈夫。

「なんか分からないけど、気になる!」からシャッターを押す。それでいい。

大事なのは上手く撮ることでも、みんなに褒められることでもなくて、

「気になる!」って思える君たちの外に向いた気持ちだから。

僕が写真を通してみんなに気がついて欲しいことは、そういうことなのです。

写真の向こうにはめっちゃくちゃ広い世界が広がっているんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

フリーカメラマン 八幡 宏(やはた ひろし)

1972年神奈川県生まれ。大学では航空宇宙工学を専攻。半導体関連の仕事を3年したのちカメラマンを目指して退職。
ブライダルカメラマンからキャリアをスタートし、雑誌や広告の撮影をするようになる。今ではインテリア、料理、人物をメインに、何でも撮るよろず屋カメラマン。
仕事の合間に旅して好きに写真を撮っています。

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