本づくりの最後のお仕事
どんな本を作っている?
僕たち文京ジュニアは、文京区大塚にある「ルリ製本」に取材に行きました。そこで社長の川上幸夫さんと奥さんにお会いしました。
川上さんは、僕たちが取材の時間を長くしてもいいかと聞いたら、「仕事が忙しいので、長くは出来ないよ。」と言っていたので、とても仕事熱心な人だと思いました。
ルリ製本では、おもに図書館に置いてあるような学術書を作っているそうです。川上さんがルリ製本を始めたきっかけは「自分で何かをしたい」と思ったからだそうで、会社ができて37年になるそうです。
ルリ製本の主な仕事は、どのような本を作るかを考えて構成する出版社さんから頼まれて、本の中身を印刷する印刷屋さんから来た紙を注文どおりに本にする仕事です。本を作るには、機械を使います。プレス用板で本をプレスしたり、山出機とよばれる機械で本の背中を丸めたりします。製作にかかる時間は長くて、1冊作るなら3日ですが、たくさん作ると1ヶ月程かかるらしいです。1回につき100冊、200冊、300冊も作る時があります。
製本には上製本、並製本があり、上製本はハードカバーとよばれ、とてもしっかりしています。背表紙もページの部分が丸くなっていて開いたときに見やすいように工夫されています。それに対して雑誌を作るのは並製本とよばれ、背表紙もページも平らです。普段何気なく目にしている本にもそんな違いがあると知って驚きました。
これからのルリ製本は
川上さんは「製本をお願いしてくれた人の注文にお応えできて、その人がうれしいと言ってくれることが私にとって一番うれしいことです」と笑顔で答えてくれました。これからは、貴重本(なくてはならない本)を長く保存するために、それを直していくという仕事をやりたいそうです。
取材をしていて、製本の仕事は大変だと思いました。機械から空気が出る音を聞くのは楽しかったので、やってみたいと思ったし、機械をうまく使う方法を身に着けられれば、僕にもできるかなぁと思いました。素人があやつれない機械をあやつれて、職人技も見せてくれて凄いと思いました。
川上さんからのメッセージ
最後に、川上さんからのメッセージがあります。いろいろな国の言葉を知らないと、正しい本が作れないと言っていました。60歳になって大学へ入学した川上さんは、その時にヨーロッパやアフリカにも行ったことがあるそうです。そのような経験から「これからの君たちには、高校生になるまでに日本語、数学、外国語を勉強してほしい。」と言っていました。
高校生になるまでは、「仕事」「勉強」「遊び」の3つ、全てをやるのが大事だそうです。小学生だとやらされてやっているのかもしれませんが、外国へ行ってみたら、川上さんも「勉強が足りないなあ」「勉強したいなあ」と思ったそうです。確かに、僕も勉強は仕事でも役に立つと思うので、やったほうがいいと思いました。
取材/大生・陽央・健人・彬智・望伯 文/彬智・健人 イラスト/彬智
【有限会社ルリ製本】
文京区大塚3-43-9
☎ 03-3943-8911
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