古きを守り、新しい発信をする“カッコイイ!”老舗旅館「鳳明館 森川別館」
文豪や東大との繋がりが深い本郷には、下宿・旅館が多くありました。今でも鳳明館の存在は、歴史的な景色を伝えています。3軒ある鳳明館のうち、森川別館は昭和30年代の生活を感じるしつらいとなっており、随所にこだわりを感じさせてくれます。素敵な遊び心と女将の日本文化を守る心、これからの旅館業にとらわれない森川別館の挑戦を取材してきました。(カラフル)
昭和の雰囲気を感じる旅館
鳳明館は元々下宿屋でしたが、昭和20年に旅館になりました。なので、辺りに昭和の雰囲気があります。行ってみると、少し懐かしい感じが漂います。今回取材したのは、鳳明館森川別館。3か所に分かれている鳳明館の1つです。森川別館は昭和30年代に建てられました。森川別館は小学生の修学旅行や、外国人が日本への旅行で泊まる人が多いそうです。
素敵な遊び心
鳳明館森川別館の凄い所は部屋の一つ一つが違う所です。窓の形や飾り等がどの部屋も違っていて、見ていて飽きません。部屋の広さのバリエーションも多く、色んな事にこだわりをもってつくられています。部屋だけではなく、花の形の石や河童のマークがあり、館内色んなところにつくった人の遊び心があり、とても楽しめます。ちなみに、鳳明館で使われているガラス、タイル、木の柱等は、現在は製造されていないものもあり、とても珍しいです。他にも、昔使っていた2階に食事を上げ下げする小さいエレベーターのようなものも残っていました。エレベーターの隣には電話のようなパイプがあって、下の階に声をかけることもできます。
お風呂にも面白い所があります。「ローマ風呂」には、ローマの壁画があります。千鳥の形をした「千鳥風呂」は、浴そうの形がハートにも見えるため女性に人気があります。しかも、お風呂には絵でルールが書かれており、外国の人にもわかりやすくなっています。
妖怪の宿 鳳明館
森川別館はその歴史を守るために様々な工夫をしています。その中の一つに「妖怪」をテーマにしたイベントがあります。「妖怪」を通じて日本独特の文化を紹介しようとしているそうです。日本の文化を守るのはとても大変でありながらも、女将さん達は大切な文化を変えないようにしようと頑張っています。僕は「イベントをしてお客さんを楽しませながら実は文化も守っていたなんてカッコイイ!」と思いました。(妖怪の宿『鳳明館』は妖店百貨展が主催するイベントです。)
鳳明館はどの部屋も違った部分があり、本当に面白く、大切にされています。鳳明館に一度行ってみてください。他の旅館にはない日本らしい所がたくさんあるはずです。日本の文化を最大限に活かした旅館、それが鳳明館なのです。
取材/斗貴和・珠妃・彬智・蒼空・周吾
文/彬智 イラスト/蒼空
【鳳明館 森川別館】
文京区本郷6-23-5
☎03 3811 8171
(鳳明館HP)
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